10月に入ってからいろいろと市場を動揺させる出来事がありましたね。 ここ最近の市場を揺るがす事案を少し紹介したいと思います。
債務上限問題

先ず、米国の債務上限問題。 つなぎ融資が可決され11月14日までのつなぎ融資が可能となりましたが、共和党の強硬派の反対を押し切って採決したマッカーシー下院議長が解任され今後の債務上限問題の協議が難航しそうです。 お金を使いまくるのを嫌う共和党と、とにかくお金をばらまく民主党との協議。
これまでの協議でも民主党は一歩も譲歩の姿勢を見せません。 どうしてなのかというと共和党がごねて政府閉鎖となれば困るのは共和党自身だからです。 政府が閉鎖して多くの人が経済的な損失を受けるとそれは「共和党のせいだ!」となるわけです。 その影響は今後に控えている大統領選挙にも大きく影響し被害が大きくなればなるほど票が民主党へと流れていくのです。 その為どんなに反対しても最終的には民主党の条件をのまなくてはいけない状況なのです。
今まではマッカーシー下院議長が最終的に合意していましたがその役目の人が居なくなった後は最悪、本当に政府閉鎖に陥る可能性も少なくありません。 その不安が市場に影響を与えているでしょうし、11月にはその問題で市場が揺れそうです。
利上げ問題
次はFRBの利上げ問題です。 年内の利上げ確率が先日の雇用統計が予想に反して大幅に上振れたあと56%に上昇。 FRBは年内の利上げに傾斜しているのではとの観測が出ています。 利上げは市場の下落を意味します。 利上げはお金の流れを鈍らせます。 鈍ったお金の流れは景気後退を招き、市場は下落します。
またFRBは常にやりすぎます。 急速に上昇した利上げはじわじわと景気を悪くしていきます。 ソフトランディングが可能かもしれないと希望が出た時期もありますが、私個人としては長短金利差のイールドカーブが解消するころには大きな下落に見舞われると考えています。 その時期が近づきつつある今、さらなる利上げは弱りかけてる市場にさらに下落圧力を加える結果になるんじゃないかと思います。 11月1日、12月13日のFOMCには要警戒です。
イスラエルとハマスの戦闘

昨日から始まったイスラエルとハマスの紛争はハマスの攻撃から始まり今は戦争状態となっています。 イスラエルとガザ自治区との争いだけで終われば大きな影響はないのですが、他国が介入してくると世界大戦のきっかけともなる懸念もあり週明けの市場は大きく動揺しそうです。 ハマスはイスラエルとサウジアラビアが近づきつつあることに危機感を覚えての今回の攻撃に至ったのではないかと言われています。 中国の台湾進攻も含めて今、世界には侵略懸念が例年に増して高まっている事が今後の波乱要因となりそうです。
10月のアノマリー

10月は9月の低パフォーマンスと違って上昇する可能性が高いようですがブラックマンデー等に代表される大きな下落は10月に起こってる事が多いようです。 今年はアノマリー通りに来ていますのでこのまま地政学的な問題が無ければ10月は買い場なのかもしれません。 ですが、個人的には買い場はまだ先な気がしています。 10月6日の米株市場は雇用統計後に大きく下落しましたがその後に大きく反発し上昇で終わりました。 これが反転への転換と捉えてる方も多いようですが判断が早いような気がしてます。 市場のコンセンサスだけでは測れない問題も浮上した今、まだ、様子見が必要ではないかと思いますね。
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