昨日のFOMCでFRBは大方の予想通り0.25%の政策金利引き上げを決定しました。 市場の予想通りだったので株価には大きく影響しなかったようです。 一方、日本銀行(日銀)は本日の金融政策決定会合で長期金利を操作するイールド・カーブ・コントロール(YCC)の指値オペの上限柔軟化を発表して市場が動きました。
米金利0.25%引き上げ
27日のFOMCでFRBは0.25%の金利引き上げを発表したわけですが、これは市場の予想通りの展開だったため市場の動きは軽微だったようです。 今回の利上げで誘導金利目標は5.00~5.25%から5.25~5.50になります。 今回ごうも全会一致だったようです。
また、FRBのパウエル議長は発表後の会見で以下の3つの点の発言がありました。
- 年内にもう一回0.25%の利上げを行う用意がある事。
- 年内の利下げは現時点で考えていない事。
- インフレ率の目標である2%は2025年ごろまでたどり着かない可能性がある事。
この発言でFRBは年内の利上げの可能性を考えていますが、市場のコンセンサスは今回の利上げが最後と考えているようです。 この乖離が今後の株価を大きく揺さぶる鍵となりそうです。
また、堅調な経済活動が指標によって確定付けられている昨今を鑑みるとFRBの思惑通りにソフトランディング出来るのでは?との考えが高くなってきていますね。 今後の雇用統計や9月のFOMCまでの指標に注目していきたいです。
日銀の柔軟化
今度は本日決定された日銀のYCCの上限柔軟化。 長期金利の急激な上下をコントロールするYCCにおいて今までの許容変動幅である上下0.5%を「めど」として維持しつつ上限を設定せず柔軟に対応する方向にかじを切ったようです。 これは、突然の利上げやYCC撤廃等の波乱要因を排除する入念に用意された出口戦略だと専門家はみているようです。
この発表を受けてドル円は一時138円07銭まで円高に推移しました。 今は落ち着いてきたのか139円60~80銭で取引されているようです。 株かも大きく反応して一時は800円超の下げを記録したが今は落ち着いて小幅安で推移しています。
今回の発表で日銀は従来の物価目標である2%の達成を睨み、大きな市場動向を避けるべく事前の対策を行ったのでしょう。 サプライズは急激な資金流動を引き起こすのでいいことではないですよね。 実際、YCCの撤廃や利上げがあればドル円は大きく円高に振れるでしょう。
そのことは今回は触れませんが、これからの日本は利上げを考えていかないといけません。 強制的な金利維持は債券市場や他の市場でのボラティリティを不要に高める事になるため今回の柔軟化はこれらの動きを和らげる効果が期待できそうです。
いずれにしてもアメリカは金利を高いまま維持しつつ、日本は利上げが近づきつつあり、それはドル円の下落が確実で円高ドル安に推移していくことでしょう。 為替の動きに合わせて利益を得るためにいろいろ考えないといけませんね。
コメント